自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。
北海道は、梅と桜と桃が同時に咲く

先日難病の叔父のお見舞いで札幌に行ってきました。
病気のことはまた機会があればお伝えしたいと思いますのでさておき、北海道は関西とは季節が1ヶ月ほどずれた感じなのですが、圧倒的に冬が長くて春が短いので、春になると関西では考えられないほど一斉に植物たちが目を覚まします。
この写真は桜だけではありますが、なんと北海道では梅と桃と桜が一斉に咲くのです。びっくりですよね。私たちの常識はあくまでも自分の周囲だけの常識であって、よその常識ではないということを地味に感じさせる事実です。
5月の札幌は芽吹きのシーズン。街中の至る所でお花が咲き乱れ、山では様々な蕾や若芽がまさに吹き出していました。

すずらん、ものすごく久しぶりに見ました。とてもかわいらしい。




蜂も桜の蜜を次から次へと忙しそうに集めていました。こんなに間近にミツバチ以外の蜂が蜜を集めているのを見たのは初めてかもしれません。ちょっとうれしい瞬間です。
白樺は静かに訪問者を見つめている
どの木々もわさわさと豊かに葉をつけて、うるさいほどの葉擦れの音がします。
本州よりも乾燥している札幌も、山の中は木々や植物たちの呼気でひんやりと湿った空気で充満していて、さわかやだけれどある種の息苦しさを感じるほどです。
彼らは何も言葉を発したりはしないけれども、ここに存在して、今を生きているということを静かに主張しているかのよう。
ふと白樺を見ると、幹の表皮が瞳のように感じられて、もしかしたら無数の目で森や山を訪れるものを深く見つめているのかもしれないと感じました。


森や山の中に入ると、見えない何かに囲まれているような気になります。
言語は存在していないけれど、濃密な何かがそこにあり、絶えず私たちにさわさわと話しかけ、見つめている。
生命に囲まれた中に一人で立っていると、自分と周りの境界が曖昧になっていくよう感覚に襲われます。
木々は生きていて、私も生きている。そんなことを頭でなく身体で感じる時間です。