目覚めると雪国だった

21日は夜中から強い寒気団の影響で、市内にも雪が積もりました。
多いところで14cmも積もったらしいですが、田の字地区と呼ばれる我が家のエリアでも駐車場を見ると10cm程度は積もっていたようです。
この冬は例年より寒いと言われつつ「そうかな?数年前の方が寒かったけど。」と思っていたのですが、今回の積雪はその数年前同様だったそうで、確かにこれはすごい。
上から見る街路樹がまるで樹氷のようで美しい。
珍しいのでこれは鴨川のあたりはさぞ面白い眺めになっているに違いないと思い、散歩に出ることにしました。

ふりしきる雪の中に自分がなくなっていくような

この日は午前中は断続的に雪が降っていて、散歩の間にもどんどん視界が白くなる感じです。
いつもは朝8時台の鴨川河川敷には散歩やジョギングを楽しむ人たちがまあまあいらっしゃるのですが、殆ど姿は見えず。鷺やゆりかもめ、鴨は雪が降ってもまるで気にしないようにゆったりと鴨川に浮かんでいます。カメラの精度がそれほど高くないのであまりわからないかもしれないのですが・・・

サクサクと歩くたびに音がなるのが楽しく、雪で少し音が吸収されているのかいつもよりも静かに感じる鴨川にしばし時間を忘れてゆっくりと歩みを続けます。
哲学者の西田幾太郎は銀閣寺周辺の疏水沿いを散策しながら思索を深めたことで有名ですが、この鴨川の散策は思索を深めるよりもふりしきる雪の中に自分の身を置くことで、むしろ思索や思考から離れて風景の中に自分自身が溶け込んでいくような清廉な気持ちよさを感じます。
この頃は冬といっても何となく暖かさを感じるような年がほとんどですが、キーンと張り詰めた寒さの中に気持ちが澄んでいくような冬の美しさがある。そんなことを実感する日は京都ではそれほど多くはありませんが、こんな街の中でも自然と自分の境目がなくなっていくような心地よい時間を大切にしたいなと思った朝でした。