いまさらだけど、面白すぎるラグビー

自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。
台風19号の甚大な被害への衝撃とともに、日本にラグビーの衝撃も日本列島を走っていますね。両者を同時に並べることは不謹慎だと捉える人もいるでしょうが、先の日本×スコットランド戦は喪章こそ着けていませんでしたが、因縁の相手であるスコットランドに対してだけでなく、東日本で今も正確な被害状況がわからないこの自然災害の中で、自分達にできることを、前に進む姿勢を示そうという決意が感じられる驚嘆すべき集中力が発露した素晴らしい80分間でした。
凄まじい豪雨の翌日に、約7万人の観客を入れた世界中継の試合を実現させた裏方の努力にも大いに敬意を払いたいと思います。
私は4年前2015年伝説の日本×南アフリカ戦を、本当にたまたまテレビで観て以来のファンなので日は浅いのですが、ラグビーというスポーツは本当にさまざまな角度から面白い競技だと感じています。
今更魅力を語るとは片腹痛いような気もしますし、とても短い文章で語れてしまうようなものではありませんが、私なりのラグビーの面白味について簡単に整理してみようと思います。
格闘技としての側面
ラグビーという競技をあまり知らない方のイメージにあるのは、激しいタックルと日本のポールの間に楕円形のボールを蹴り込むモーションだと思います。
ポールへのキックはさておき、タックルはラグビーをアメリカンフットボールとともに、他の球技との違いを際立たせている要素ですよね。
激しい肉体のぶつかり合いは、プロレスや相撲とも共通しますが、組み合うことを競技の中心にして行司の合図でぶつかり合う相撲よりも、動きのバリエーションが様々な態勢から繰り広げられるところから、プロレスというよりもむしろ総合格闘技に近い感じがします。
首から上のハイタックルや、タックルした後相手を頭から投げ落とす行為が思い禁止事項であることは格闘技とはかなり違いのあるところですが、コンタクトによっては頭や目の上などから流血することもままあり、そうしたダメージに対してポジティブによほどのことでなければ何でもないように平静に振る舞うという姿勢も格闘技的です。
この特徴は誰の目にもはっきりわかりやすく、肉体同士の闘いは観る側のアドレナリンも増加させて高揚感を感じます。
でもこれはまだまだ楽しみとしては序の口です。
「戦術」という動的で知的な面白さ
ラグビーほどコーチ陣や選手自身の口から「戦術」という言葉が聞かれるスポーツもあまりないのではないかと思います。「戦い方」「プレー」「攻略」という表現は多くのスポーツでも聞かれますが、「戦術」という表現は通常のインタビューでは多くの関係者が使うとは言えません。
では戦術とは何なのか。
似たような言葉で戦略という語があり、両者は似ていますが実際はかなり違うものです。
戦略は戦う相手の条件や状況などの情報を整理し、戦い方の方向性を大局的に分析するという俯瞰的なもの。
戦術は戦略に基づいて、実際の現場において相手の攻撃を仮想して具体的にどのような行動をとるかというより具体的かつ直接的な方法です。
戦術という言葉を連発するということは、ラグビーではそれだけ相手に対しての具体的な方法を用意するスポーツだということですよね。
例えば囲碁や将棋、チェスなどでは、試合の他に「詰碁」「詰将棋」「戦術的パズル」という棋譜を読んで具体的にどのような駒の動かし方があるか研究したりする方法があります。
これらは単に部分的な駒の攻略方法ではなくて、これを部分として全体のゲームを動かすためのパーツです。バタフライ効果ともいうべき、一つの戦いのパーツがゲーム全体にどのように関わり影響するかということも俯瞰しながら、部分を詰める。実に考えることが多くて緻密な作業だと思いませんか。
個人的には「セットプレー」が「詰め将棋」などに対応するものだと考えています。
ラグビーでは「詰め将棋」的作業を実際の選手が練習で行う、という風に想像してみてください。
様々な天候や会場の芝、もちろん生きた人間を使ってなので計算通りに行くとは限りません。けれどもそれぞれの試合で相手側に対して戦略を練り、その上でどれだけ多くのオプションを考えだして頭ではなく身体でも理解し、自然と状況を読んで実際の試合において行動できるようになるまで鍛錬できるか。一人のリーダーがそれを理解しているのではなく、15人のチーム全員が理解し行動できなければ、せっかくのセットプレーも単に部分的にうまくいったシーン、というだけで終わる可能性があります。
上位のチームになればなるほど、戦術の精緻さと、それを具体的に実行できる肉体と選手たちの知力も高まっていきます。
そんなスポーツ、考えただけでもゾクゾクしてしまいます。
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と、ここまでで一旦休憩させてください。一回で終えようと思ったのですが、やはりどんなに簡単にしようとしても魅力が詰まりすぎて足りません!本当はこれの数倍1項目にかけたいくらいですが、ぐぐっと我慢して2回にまとめますので、まずはここで一区切り。
次に続きます!