自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。
老眼鏡はネガティブアイテムなのか?

老眼鏡をかけることを、友人間では「Rの人」または「ローガンズ」と呼んでいます。
最近は「リーディンググラス」という呼称を眼鏡業界では推進しているようですが、こちらも「R」ですね。
同年代の友人知人間でそういうお年頃のせいか、最近視力が怪しいと言っている人が激増しています。でも、多くの人たちが見えない見えないと言いながらも「Rの人」になることに抵抗している人がほとんどのように感じます。
やっぱり老眼鏡=「老い」のイメージがあって、自分が年寄りになったと感じたくないからなのでしょうか。
実は私は老眼鏡に対して全然ネガティブな印象を持っていません。
かけ始めたはのはおそらく今から5年くらい前でしょうか。
ある休みの夕暮れに文庫本を読もうとしたところ、どうしてもピントが合わない。
「これがもしかして世間で言うところの『老眼』?ものすごく見にくくてイライラする!」と、そのまま立ち上がって眼科で視力を測ってもらい、老眼のお墨付きを得たので処方箋を握りしめて眼鏡店でレンズを誂えました。
それが上の写真の眼鏡です。割とおしゃれではないですか?
実はこれ、元々はサングラスだったのを、レンズだけ入れ替えて老眼鏡にしてもらったのです。
お気に入りのフレームを再利用すれば、どんどん使える!

私のフレームは、今はなき眼鏡研究社という京都の新京極というアーケードにあったお店のものです。ここの商品のほとんどは昭和初期などにつくられたデザインで、お店独自に復刻してフレーム販売をしていました。
デザインが気に入っていて時々お店をのぞいていたのですが、私は実はもともと乱視はあるものの視力が良く、眼鏡をかける必要がまったくなかったので、作りたくてもつくる機会がなかったのです。
でもある日サングラスにしたら良いのだ!と思いついて作ったは良いのですが、いかんせんレンズが小さい。日光に眼が弱くて小さいレンズのサングラスだと周りから光が入って眼が痛くなってしまうので、すぐに使わなくなってしまいましたが、かなり吟味して選んだフレームだったので、いつか老眼になったらこのフレームを使おうと長年心に決めていました。
なので、老眼かもしれないと思ったときに、文字が見えないことにイライラしつつも、実は「やった!これであのフレームを再利用できる機会が巡ってきた!」とちょっとうれしい気分にもなったのでした。
セルロイドの小さめのサイズで、ケースにいれてもコンパクトに収まります。
少し赤みがかった深い茶色で落ち着いた雰囲気。
高級ブランドなどではありませんが、お店の方のフィッティングで、まつ毛があたるので鼻パッドを調整すれば良いですよとアドバイスしてくださり、高くなるよう加工してもらっています。
そのほかもヒンジ部分の蝶番の具合も見てもらったりして、かなり快適なかけ心地なんです。

サングラスだった時はあまり活躍の機会がなくて残念に思っていたのですが、老眼となった今では私の第二の眼。いつでもどこでも欠かせません。時々改めて眺めては「やっぱり好きなフレームだわー。」と愛でています。
「老眼鏡」という言葉が嫌なら「リーディンググラス」でポジティブ変換

人間は近視でも遠視でもすべての人が40歳くらいから徐々に老眼になるそうです。
多くの人は老眼鏡をかけることで、自分自身が歳をとった証拠だと認めるのが嫌なようで、老眼鏡をかけるのをためらっているのではないでしょうか。
特に日本では欧米に比べて若いことがかなり価値があると考える文化もありますからね。
でも最近は素敵なおばあさんやおじいさんに憧れるケースもかなり多くなってきたし、良いエイジングの仕方というのを考える機会も増えていると思います。
もちろんいつまでも若々しいというのは素敵なことだと思いますが、若々しさ=実際の若者とは違うことは多くの方もご存知ですよね。年齢を重ねないと似合わないことや、素敵に見えないこともたくさんありますし。
老眼という事実に目を背けて老眼鏡を拒否していると、結局近くのものを見るときに顔をしかめたり、無理をして見るせいで肩こりがひどくなったりする弊害も結構あると聞きます。
私はすぐさま老眼鏡を作ったので、眼鏡をかける一手間というのはありますが、クリアに文字などが見えるのはとても快適で気持ちが良いです。
しかもその気持ちの良さがお気に入りのフレームによってもたらされているという二重の満足感。
老眼になることが新たなおしゃれの楽しみをもたらしてくれたと言っても過言ではありません。
老眼鏡の「老」の文字が嫌というのなら、業界推しの「リーディググラス」に自分の記憶セットを変換して視点を変えれば、楽しい部分も見えてきます。
既製の眼鏡でも最近はおしゃれなデザインが増えていますし、気に入ったものがその中に見つからなければ、レンズさえそれ用に入れ替えれば、自分だけの素敵な眼鏡ができあがります。
もしも老眼の症状に抗っている方は、少しだけマインドセットを変えると、快適で楽しい日々がひらけるのではないでしょうか。