更新が相変わらずのろいくりたです。

最近になって気付きましたが、ブログのタイトルを「質素で優雅な京都ひとり暮らし」としながらも、今まで最初の上七軒の記事以外はいわゆる京都ならではを感じさせる生活がほとんど紹介されていませんでした。
元々の京都人でもなく(京都人とは三代続いて初めて名乗れるものらしいので)、京都を売りにする必要もないといえばないのですが、生活はおのずと住む場所によって違うものだと思うので、私の普段の何気ない生活にも他の地域に住む人とは違う部分があるかもしれません。

京都のステレオタイプなイメージといえば「和」の文化。着物、伝統文化、桜に紅葉、嵐山、社寺仏閣。私もついここ三年ほどではありますが、茶道に足を踏み入れています。
茶道はやはり「道」とつくだけあって、本当に一生かけても到達することはないだろうと思われる奥深さがあり、私などは水辺でちゃぱちゃぱ足を入れているくらいの適当さなので、茶の道を語るなどおこがましすぎる身ではありますが、それでも面白さには触れさせていただいているなとは感じます。おいおいその辺りも紹介できれば良いのですが、今日はひとまず自宅で薄茶を点ててみました。

つい最近までお稽古の時しか自ら茶道に触れないという、本当に不真面目な私でした。しかしお稽古であまりにも今までのことが身についていない不甲斐なさを感じはじめ、少しは日常的に茶道を感じようということで、一念発起してお抹茶を買いました。

京都大丸さん企画の「大カラスマ茶会」というイベントで宇治から出店されていた山政小山園さんのかなり上等でレジで価格をきいてひるみましたが、後にはひけず買ってしまいました。

抹茶なんて別に決心して買うほどのものではないやろうと思われるかもしれませんが、お抹茶ってめちゃめちゃ高いんです。普段は祇園辻利さんのものを使わせていただいていますが、40gで1,000円くらいするんです。しかも開封すると日毎に香りや味も少しずつではありますが失われていくので、長期保存もできないと思うと気軽には買えません。

なので、今回はおいしさが失われないうちにこれから頻繁にお茶を自分で点てよう!という決意の現れという訳です。

お抹茶は粒子が細かいので袋から出したそのまま点てるとダマができてしまうので、茶こしできちんとふるいにかける手間も必要。

さらに不思議なことというか、そういうことがあるからお茶は道なのかもしれませんが、点てる時の心理状態がお茶に現れてしまうんです!

心に落ち着きがないとおいしくないんですよね・・・なんだか泡があらかったり、お湯の温度が高くて苦味が前面に出て甘味が出ないとか、茶せんでぐるぐる回しすぎて香りが飛んでしまったり。
安定したおいしいお茶を点てるためには、お茶と向かい合う時にいつも落ち着いた気持ちでいられるよう心がけが必要なんですよ。

で、今朝点てたお茶はこちらです。

泡もそれほど大きくなくて、まあ今の私のレベルとしては割とまともなお茶だと自分では思います。

お茶のお供は青森の「たわわ」というアップルパイのお菓子です。
先日青森に行った時にかなりおいしかったので、自分へのお土産として求めました。
バターたっぷりのしっとりしたパイ生地に、りんごの蜜煮がバランスよく入っています。焼き立てサクサクのアップルパイはもちろんおいしいですけど、こういう落ち着いた味わいもなかなかで、甘さも割としっかりしているのでお茶にはよく合うなあと思います。

茶道では先にお菓子をいただいて口が甘くなったところでお茶をいただいてすっきりさせるので、実はお菓子とお茶が一緒にあるのはおかしなことなんですが、ビジュアルを考えてご勘弁ということで。お茶碗もカフェオレボウルを抹茶碗に見立ててますが・・・

正式なお茶席とは全然違うものの、お茶を朝から点てるっていいなあとやり始めて思うようになりました。
なんというか、瞑想ほどではないですが一日の初めに心を落ち着けて茶せんを振って、お抹茶を味わうと心が引き締まるような気がするんです。不思議と茶せんを振っている時は無心になっている時が多いので頭が切り替わるのかもしれません。