自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。
シンプルだけど満足できる和食メニュー

・やげんなんこつの塩焼き ・おあげの卵とじ ・枝豆
今日はあっさり和風メニューです。
いつも思いつきで料理をするので、材料の関係などでいきおい創作料理になりがちですが、本日はかなりノーマルかつシンプルな料理です。野菜もちょっと少なめですが、食事は毎日一食ずつというよりも2、3日ごとにまとめて見たときにバランスが悪くなければ、とざっくり考えているので、こんな献立もたまには良いでしょう。一食ごとにかつかつ品目やカロリーを気にしているとそのことを気にすることに疲れてしまい、食事の時間が楽しくなくなってしまうかもしれないですし。物事はだいたいきっちりしすぎるよりも「遊び」の部分を持たせておくことが色々な曲面に対して応用が効くと、己のいい加減な性質を正当化するために解釈しています。
女性にうれしいやげんなんこつ

やげんなんこつは焼き鳥屋さんでは食べても、家で食べる方は少ないかもしれませんね。京都伊勢丹に入っている名古屋コーチンで有名な鶏三和さんでは、夏の間だけフレッシュなやげんなんこつを売っているのです。ここのは割となんこつにお肉が付いているのでお得気分ですし、何より冷凍でないのでドリップが少ないというのがうれしいです。
やげんなんこつ は色んな言い方があって、「さんかく」と言われたりもしますね。「やげん」という名前の由来は、昔生薬をすりつぶすローラーの付いたすり鉢のような「薬研(やげん)」という器具を使っていて、その受け皿部分に形が似ているからそう呼ばれるようになったとか。
部位も私は当初その形から肩甲骨あたりかと思っていたら、鶏の胸骨なんだそうです。一羽から少ししか取れない貴重なものなんですよね。
カルシウムが豊富なのはなんこつなので当たり前として、それ以外にも結構栄養があるんです。特にお肌のケアには欠かせないコラーゲンも豊富で、カロリーもかなり低くてダイエットの味方です。ということは、結構女性に必要な条件が色々整っているので、普段なんこつはあまり食べないわ、という方も焼き鳥屋さんではぜひやげんなんこつ のご注文を。その際はタレにするとタレのカロリーがたっぷりなので、塩焼きがお薦めです。
ということで、私も塩焼きです。いただきもののシークァーサーがあったので、それをぎゅっと絞りました。
鶏の食べられる軟骨はこの他に膝なんこつもありますが、私は断然やげん派です。
三角の鋭角な方の部分は薄くてしなやかで食べやすく、特別味というのはありませんがこの食感は他のなんこつにはない繊細な歯ごたえです。
値打ちは見た目じゃない!

この枝豆はかなりずず黒くてこ汚いといえばこ汚い。悪くなっているようにも見えますが、どうしてどうして高級枝豆です。
枝豆も色んな種類があって、翡翠のように瑞々しい緑の美しいものもありますが、このようにあまり食欲をそそられる様子ではないものも。でも味は見た目じゃありません。
これは丹波黒豆の枝豆なんです。枝豆は要するに大豆の未熟な状態のものですが、黒豆といえばふっくらとして柔らかく甘みがあるということで珍重されている大豆ですよね。その枝豆ももちろんふっくらとして味の濃いおいしいお豆なんです。普段は高いので買いませんが、半額ハンターの能力?を発揮して入手しました。単に閉店時間前のセールっていうことですけれども。

さやから出しても少し黒ずんでいますが、味は一級品。「人間は見た目じゃない!」などとよく言われますが、豆も見た目ではないんです。もちろん色形が美しくおいしい枝豆もありますが、それだけが良い枝豆じゃない。物事には何事も多様な判断基準があるので十把一絡げにはできないということですね。
枝豆をおいしく調理するコツは人それぞれあると思うのですが、私が実践しているコツは2つ。
・茹でる前によく塩もみして30分くらい置いておく
・茹でるよりも蒸す
塩もみすると枝豆のさやの表面のもけもけした毛がちくちくしにくくなりますし、時間をおくことでさやを通じてお豆にもほんのり塩が効いてくるので、味のある仕上がりになります。
茹でではなく蒸すのは、そのほうがお豆のうまみが流れ出さないから。もともとそれほどアクもないのでアク取りのためにたっぷりのお湯で茹でなくてもいいかーと思って蒸してみました。すると茹でた時よりも甘みが強くなるような気がしたので、以来蒸して作るようにしています。といっても蒸し器ではなく、使っているお鍋が蒸気で鍋と蓋の部分に水分のシールができるという無水鍋ではないけれどそれに近い機能があるので、水をお鍋の底1cmくらいだけ入れて蓋をするというだけです。特別工程が増えるわけではないので全然面倒ではありません。
やっぱりお鍋も高機能のものはそれなりに便利だなと思っております。
おあげのおいしさ満喫の卵とじ

私がおあげが大好きであることは以前も書いていました。カリカリに焼いてスナック的にするのも抜群ですが、お出汁をたっぷり吸わせる卵とじもたまらないおいしさがあります。
この料理はもう、純粋におあげをたっぷり食べたい!という欲望を満たすためのメニューです。昆布とかつお節で丁寧にとった出汁にみりん、塩こうじ、お醤油で味を整えた絶品風味を文字通り滴るほどに含んだおあげ。三つ葉でシャキシャキとした食感とふんわりとした香りを添えて、半熟状態の卵がそこにやさしさとコクを加える。えのきもあったので入れちゃいましたが、そうするとまたえのきの出汁も加わって、うまみ三つ巴状態です。
食べた時ももちろん「ふわ〜!おいしい〜!!」と一人で静かに興奮してしまいましたが、今このブログを書いていてもこの日常的でなんでもない肉も何も入っていない料理のおいしさを反芻してよだれが出てきそうです。
プロにしか作れない繊細で手間と贅を尽くした料理ももちろんたまにとても食べたくなってしまいますが、やっぱり毎日のなんてことはない食事でおいしさやありがたさを感じられるのは、人生の中でかなり幸せなことなのではないかなと思います。