自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。
涼しかった昔の夏の記憶

本日のメニュー
・サバの水煮、シークァーサー添え ・いちぢくのゴマだれ ・厚揚げと赤こんにゃくの炒め物
今日もさささっと30分以内にできるメニューです。
最近は本当にめっきり秋になりましたね。朝晩と言わず日中晴れていてもそれほど暑くない。家に帰って寝る前に温度計を見ると28度だったりして案外高いことに驚かされますが、もはや28度はそれほど暑い気温ではなくなっていることにも二重に驚きます。
小学生の頃の夏休み。各家庭の各部屋にクーラーが今のようにあるということもなく、我が家はリビングともう一部屋だけにありましたが、倹約家の母の管理によりクーラーを入れて良いのはその夏のうちせいぜい10日くらいでした。当然子供部屋になどあるはずもなく、宿題は朝の涼しい時間にしなければならないという掟がありました。
ジージーと耳をつんざくほどのボリュームのアブラゼミの音の中で、苦手な算数を机にかじりついてふうふう言いながら解いていたことを思い出します。
暑いとはいえ当時は35度などという気温は、どこか遠い砂漠の国の出来事と思っていて、30度超えるようだと「今日は暑いねえ。」と話していてことを思い出します。
昔の9月1日はどんな気温だったのでしょう。ちょっと調べてみると1980年9月1日の最高気温は26.5度で、最低気温は19.8度。半袖では肌寒いかもしれないくらいの気温ですが、この年は特別涼しかったようで、前後の年はだいたい最高気温は30度を超えるくらいで、最低気温は20度程度のことが多かったようですから、振り返ると今とあまりにも違うということはないようなのですが、百葉箱の中の温度と実際の体感にはいつもズレがあるので、やはり昔の方が体感としては過ごしやすかったような気がします。天気予報で「生命の危険がある暑さです。」などという言葉も存在していませんでしたしね。
いちぢくとナスに秋を想う
さて、とはいえ八百屋さんの店先に並ぶ野菜も秋の様相を呈してきました。

行きつけの「みどりなす」さんの陳列棚には狭いお店だというのにずらりと10種類ほどのナスが並び、白いちぢくと黒いちぢくが並び始めています。
もともといちぢくは大好きなのですが、みどりなすさんのいちぢくを食べてより一層とりこになりました。
いちぢくといえば、そのねっとりもったりな果肉と、プチプチの種が特徴です。ここでいただくいちぢくはいつも私の手のひらにようやくひとつが乗るくらい大きくて立派で、皮は薄く、果肉はきめ細かく持ったりと濃厚の甘さなのにしつこくなく、口の中でふわっとほどけていくような特別な味です。そのまま食べるのが一番好きですが、たくさん出回る時期だからこそ、少し目先を変えて食べたりします。
簡単でよく食べるのはいちぢくのゴマだれ和えです。

カットしたいちぢくに、練りゴマとはちみつ、お醤油を合わせてかけただけ。ゴマのねっとり感はいちぢくと相性が良いのです。ナッティな味わいがいちぢくと自然な感じで馴染みます。
甘くてもデザートのような感じでもなく、不思議なおかずです。ご飯のお供にはなりませんけれども。10月末くらいまであとしばらくはこのおいしいいちぢくがいただけると思うとふつふつとうれしさが湧き上がってくるようです。
近江八幡ならではの赤こんにゃくは炒め物も○
赤こんにゃくは滋賀県近江八幡の特産品です。レバーのような赤色は鉄分のいろなんだそうで、つまり鉄分を多く含んだ食品ですね。

関西一円で食べられているということもなく、かなり限定的に滋賀県と京都の一部くらいなのではないでしょうか。
色はもちろん特徴的ですが、なんとなく普通のこんにゃくに比べて口当たりがつるりとして、その割に歯ごたえがしっかりしているように思います。出汁でたいて食べるのが一番ポピュラーなのですが、刺身こんにゃくとしても食べられて、今回のように炒めてもおいしいと、なかなか応用範囲の広い便利な食材です。この炒め物は動物性タンパク質が何もないですが、厚揚げがしっかりと食べ応えもあり、戻した干ししいたけを使っているのでこちらももともとしいたけの味が濃い上に、しっかりと味も染み込んでいたりと、精進系の料理としてはかなりのボリューム感があります。今日は簡単に味付けしようとポン酢を使ってさっと炒めているので、ちょっと酢が入ってさわやかな風味です。ポン酢は冷奴や冷しゃぶにかけるだけでなくて、案外炒め物などの火を入れる料理でも使える便利な調味料なんです。
簡単すぎて紹介するほどでもないサバ缶料理・・・

最後は簡単すぎて紹介するのが憚られるほど簡単な、料理ともいえない料理です。
今大流行のサバの水煮缶に、シークァーサーをたっぷり絞ってちょっとお塩を振っただけです。
普段それほど缶詰は食べないので、実はサバの水煮缶も先日初めて買いました。トマト煮込みなんかに使っても良いなと思っていたので、とりあえずは試食もかねて開けてみました。
こういう魚やカニの水煮缶はさっと使えてとても便利なのですが、切り身を水煮したのとは違う独特の缶詰ならではの風味と香りがありますよね。なんとなくそれが気になってしまうので、そのままで食べることはあまりなく、少しだけでも手を入れることが多いです。お魚系はレモンなどの柑橘系の果汁を加えるのが一番手軽で、さっぱりと缶のにおいなどを気にせず食べられます。
今日はシークァーサーがあったので、レモンより穏やかなその酸味を堪能したくてほぼその味だけが楽しめるようたっぷりと絞りました。脂ののった少し酸味のあるサバに柑橘系果汁はぴったりで、さっぱりだけれどもしっかりと食べ応えのある味です。ものすごく簡単ですが、果汁だけでなく少しお醤油を垂らしたり、オリーブオイルをかけてハーブをあしらったりするのも楽しそうです。