外出しなくても作れる楽しい乾物レシピを考えた

くりたです。

新型コロナウイルス 感染者の蔓延で、封鎖も遡上に上がっている東京。京都はそこまで感染者が増えてはいませんが、ちょっと買い物に出ると、外国人こそ少ないものの結構な数の観光客がいて、中にはスイーツのお店の前などに何十人もが密集して並んでいる姿を見かけます。
お店もそうですが、並んでいる人たちも日本の現状を考えると常軌を逸していると考えざるを得ないのですが、こういう人たちが感染を広げて、結果都市封鎖になった場合に食料品やものの買い占めに走るのもこういう人たちなのだろうなと疑ってしまいます。

自分で自分の首を絞めているのに、最終的にはやれ政府に救済補助金を出せだの、対策がなってないだのと他罰的な発言を繰り返すのも、恐らくこういう人たち。

非常時にはそれぞれの人間性があぶり出されるので、日頃から気をつけて自分を省みなくてはいけないなと思うのは、こんな時です。

かくいう私はこのように攻撃的なテキストをつい書き連ねてしまう、という性分なのですが。

さて、今日の献立はかなり独創的なメニューが登場です。

・ニシンの薫製
・朝堀り竹の子の焼き物
・ルッコラのサラダ、タルタルソース
・乾物のグラタン

最近は外出を控えているので、もしもさらに外出できなかった場合にどんなメニューで工夫できるかなと思ったのが乾物のグラタンです。

少し手間はかかるけれど、おいしさ抜群!

干し椎茸と割干し大根とマカロニのグラタンです。

お肉類は一切入っていませんが、干し椎茸も切り干し大根もかなりうまみがあって食感にもボリュームがあるので実験的に作ってみました。

今回は切り干し大根といっても、京都の冬の漬物の代表である千枚漬けに使われる巨大な株のような聖護院大根の切り干しを使ったので、割干し大根に近いです。
割干し大根というのは、切り干し大根の太いものです。戻すと小指くらいの太さになり、太いぶん噛みごたえもパリパリとあって面白い乾物なんです。どこにでも売っているものではないので、私は三条東洞院にある八百一さんで買い求めることが多いです。

戻した干し椎茸と割干し大根は、そのままだとあまりに乾物っぽい味なので、グラタンに合うように少し洋風の下味をつけておきます。
戻した材料に野菜ブイヨンと椎茸と大根の戻し汁を少し加え、お塩とお醤油で薄く味をつけて5分ほど煮ます。あまり長時間煮てしまうと、割り干し大根の魅力である歯応えが失われてふにゃふにゃになるので注意が必要です。

軽く煮たら、そこに直接マカロニも投入して、スープの水分で戻します。こうすることでマカロニ自体にも味が染み込んで、お肉がなくても割としっかりうまみを感じられるようになりますし、何よりマカロニを別のお鍋で茹でる手間が省けます。割り干し大根と干し椎茸を煮るときに5分しかかけないのは、引き続きマカロニも一緒にして茹でるからです。

マカロニもちょうど良い硬さになってきたら、そこにバターをたっぷり入れて溶かし、さらに豆乳を入れてスープパスタ的なシャバシャバ感にしたら、小麦粉を投入してよく混ぜて即席ホワイトソースになって、グラタンのタネのできあがりです。

私は牛乳をあまり飲まないので豆乳にしましたが、牛乳でも構わないと思います。

できあがったタネをグラタン皿に入れて、チーズをたっぷりかけておいしそうな焦げ目が着いたらできあがり。

食べてみると、どの食材にも下味がよく染み込んでいて、薄味ながらうまみがたっぷり感じられます。干し椎茸もジューシー!どの食材も割とボリュームがあるけれど、脂質がないので後味はさらっとしていて全然くどくありません。これは本当においしい。オリジナルレシピの中でも出色のできばえだと思います!

乾物を戻して下味をつけたりと、少し手間がかかるので面倒と思われるかもしれませんが、マカロニやホワイトソースもすべてひとつのお鍋で完結できるので、トータルとしてはそれほど面倒ではないようにも思います。何より純和食食材だというイメージの強い材料が、グラタンとしてまったく違和感なくいただけるのが、うれしい驚きです。しかもこのボリューム感にしてはお肉を買うよりグッと安くできあがります!乾物臭さはまったく感じられないので、お子さんにも喜んで食べてもらえそうです。

春しか味わえない濃厚な竹の子の香りが絶品

焼き竹の子は、水煮ではできないし、朝堀りでないとえぐみが強くなってしまうので、新鮮な竹の子が手に入るこの時期だけの特別な味覚です。

茹でる時のように洗って、皮を少し先端を斜めにカットして火が通りやすく下ごしらえした竹の子を、オーブンで焼くだけ。

焼き上がったらシンプルに、オリーブオイルと塩胡椒でいただきます。

皮を開いたときに広がる竹の子特有の香りが格別で、甘さもほんの少しのほろ苦さも鼻腔いっぱいに吸い込むと、春の訪れが実感されてついつい口角が上がります。
水煮よりも凝縮された味わいで、甘みも強くて本当においしい。
焼きと言っても皮ごと焼いているので、蒸し焼き状態になるのですよね。

茹ですぎた卵で急遽タルタルソースに変身

ルッコラのサラダは、最初は半熟卵をのせてフレンチドレッシングでいただこうと思っていたのですが、うっかり卵を超ハードボイルドしてしまいました。

予定通りフレンチドレッシングで、ゆで卵を刻んでミモザサラダっぽくしても良かったのですが、この際まったく違うものにした方が良いなと思い、急遽タルタルソースにすることにしました。

今回のドレッシングとして使うのでゆるゆるにする必要があり、グラタンが落ち着いた味わいなので、こちらも親和性を高めるためにカツオと昆布の出汁も入れました。

卵、マヨネーズ、出汁、豆乳、粒マスタード、レモン汁、オリーブオイル、塩、胡椒が材料です。

レモン汁はたくさん入れて酸味を利かせた方がサラダの味に締まりがでます。

食べるドレッシングという感じでルッコラともよく合ってなかなか美味しいです。

半熟卵のとろりとした卵黄が野菜に絡むのもたまらなくおいしいですが、タルタルはタルタルでやっぱり良いですね!

最後に前菜っぽく添えたニシンの薫製ですが、こちらは細かく裁断されたものにレモン汁とオリーブオイルをかけて、少しマリネっぽくしていただきました。

写真にはありませんが、昼下がりにアルザスのゲベルツトラミネールの白ワインと合わせましたが、特にゲベルツトラミネールのほんのりとした甘さと苦さがグラタンとものすごくよくマッチングして、最高の気分でした。