自宅ごはんを中心に、まあまあ幅広いトピックを扱うくりたです。

家にあるもので、野菜とバジルをたっぷり食べる

本日のメニュー

・野菜のチーズ焼き
・フレッシュバジルのペペロンチーノ風パスタ、鶏ももの揚げ物添え

仕事で遅くなったんですが、野菜がたっぷり食べたいし、ベランダのプランターで育てているバジルがわさわさ育ちすぎているので大量に消費しなければいかん!という動機からのメニューです。

パスタはバジルを消費するのが目的なのでフレッシュバジルを大量に使っています。

ざく切りにしたバジルをパスタを茹でている間にささっとソテーして、それに実家からもらって残っていた瓶詰めのペペロンチーノのパスタオイルを加えて混ぜただけ。

本格的にバジルソース(ジェノベーゼ)を作ろうと思うと、松の実も入れてコクをつけますが、今回は家に松の実もないし残り物を使っていくというコンセプトなので、適当です。

バジルを青じそで代用という時代があった

バジルのパスタと言えば、今ではバジルはごく一般的な食材としてだいたいどのスーパーでも手に入るようになり、手軽に育てられるので私のようにベランダで栽培している方も多くなりましたが、私が小学生の頃は全く知られていない存在でした。

だいたい「ハーブ」などというものが日本の一般家庭の概念になく、「パスタ」は「スパゲティ」と呼ばれていて、種類もミートソースかナポリタンしかない時代だったのです。

今の20代の人たちには信じられないだろうなと思います。オリーブオイルは味にクセがあるので日本人には合わない人も結構いるなどとも言われていましたよ。

小学校の高学年あたりで山菜を使った和風パスタなるものが現れはじめて、バジリコスパゲティという名前もたまに目にするようになりました。

けれども当時バジルなどというものは普通には入手できないので、紹介レシピでは大体「バジル(なければ青じそで代用)」と書かれていたことを思いだします。

今考えると「おいっ!!!!!」と思わずツッコミを入れたくなりますが事実です。味も香りも全然違う、似てるのは濃い緑色というだけですね。同じハーブだろうといえば、青じそもジャパニーズハーブではありますが。

しかしさらに踏み込んで考えると、これは日本にパスタやイタリア文化を紹介していくために腐心した人々の涙ぐましい努力の表れかもしれません。

今でこそ新しい食材に対して私たちは結構貪欲になっていると思うのですが、当時は普段食べているもの以外に対して結構警戒心が強かったと思うんです。

でも当時本物のジェノベーゼパスタを食べたり作ったりしてその美味しさを知る人たちが、何とか日本にもこれらを紹介して多くの人にイタリアの食文化を身近に感じて欲しいと思ったはずです。そのために、まずはバジルやジェノベーゼという名前を覚えてもらって、興味を持ってもらうところからはじめようということで、全然違うものだとわかりつつも、業界で何となく結託してバジルは青じそと似たものですよ、というキャンペーンを張ったのではないでしょうか。

青じそのジェノベーゼを作って食べて美味しいと思った人たちが、「本物のバジルってどんなのだろう?いつかバジルのスパゲティーもたべてみたい。」という気持ちを無意識に持つようになり、いざ本物のフレッシュバジルが登場した時には、すでに心の受け入れ態勢ができていたのかな、と。

実際はどうかわかりませんが、そういう風に考えるとバジル=青じそ説も単に違うやん!とバカにするようなものでなく、業界の人々の熱意と工夫の賜物だと微笑ましく、尊敬をもってとらえられる気がします。

ちょっと手間、でも美味しさには少しの努力も大切

野菜のチーズ焼きの方は冷蔵庫の中で早く消費しないといけないものという基準なので、こんなラインナップになっています。

やまいも/トマト/ナス/新たまねぎ

他にも根菜類やズッキーニ、パプリカなどがあれば色も綺麗になるので良いと思います。

材料を乱切りにしてドライのイタリアンハーブミックス、塩胡椒をまぶしたら、オリーブオイルをたっぷりかけてざっくり混ぜたらオーブンへ。野菜がある程度焼けたらシュレッドチーズを載せて、チーズの焼き色がつくまで再びオーブンに入れました。

一度オーブンから取り出すという作業が面倒と思われるかもしれませんが、最初からチーズもかけて入れてしまうとチーズが先に焼けて野菜が生焼けということになってしまうので、そこはひと手間が重要なのです。

ただ、チーズ焼きでなくて焼き野菜のサラダという風に考えれば、焼けた野菜にチーズをかけてそのまま食べると、チーズが野菜の熱で半分溶ける感じになると思うで、そういう食べ方もありかなあと思います。

最初に戻りますが、オーブンに入れる前に味付けをしてオイルで和えるのは、野菜の美味しさを引き出すのに結構重要なので、こちらは面倒がらずにやらねばならない行程です。

どのみち焼けたら塩胡椒とオイルはかけることになるので、焼ける前か後かという差だけなので、どうせなら美味しく食べられる順序の方が良いですからね。

今は多くの人が忙しい時間なので、簡単メニューがもてはやされています。

もちろん私も簡単メニューは好きだし、よく作ったりもします。

でも食事って私たちの命をつなぐものだし、身体をつくっているものだからやっぱりおろそかにはできないと思うので、少しの工夫は必要かなと思っています。

行程は増えてもそれを楽しいものとしてとらえた方が、人生が豊かなになりますしね!

今回のメニューは実際全然面倒というほどのものではないのですけども、何事も簡単さばかりを追求することが良いことでもなく、手間をかければ良いというものでもないし、すべては全体のバランスが大切ですよね。

追伸:パスタに添えられている鶏もも肉は、先日唐揚げの揚げ方がいまいちだったので練習しようとしたのに、ぼんやりしていたら粉をつけ忘れて揚げてしまったという代物です。これはこれで悪くはありませんでしたが・・・